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「Apple Final Cut Pro」のキーボードショートカット完全ガイド

Appleの動画編集ソフト「Final Cut Pro」のキーボードショートカットを一覧で解説。JKLによる高速プレビューから、イン/アウト点とお気に入りによる素材選別、ツール切替やギャップ挿入を含むタイムライン配置、余白を削ぎ落とすトリミング、定番トランジション、音量調整まで、実際の動画編集フローに沿ってプロ視点で解説しています。

公開日: 2026.8.21

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再生コントロール

動画編集において、何よりもまず最初にマスターすべき基本がプレビュー再生とタイムラインのナビゲーションです。

プロの編集者はマウスで再生バーをドラッグしません。左手を「J(逆再生) / K(停止) / L(順再生・連打で倍速)」に置き、左右矢印キーでコマ送り(1フレーム / 10フレーム)、上下矢印キーでカットの切れ目(編集点)へ瞬時にジャンプします。

動画編集の作業時間の大半は「素材の確認と再生」が占めるため、この再生コントロールをキーボードだけで自在に操れるようになることが、すべての編集高速化の土台となります。

動作ショートカット
タイムラインやブラウザでのプレビュー再生を開始または停止する
Space
タイムラインを順方向に再生する(連打することで2倍速、4倍速へと倍速再生)
L
タイムラインの再生をその場で完全に停止する
K
タイムラインを逆方向に再生する(連打することで逆倍速再生)
J
再生ヘッドを正確に1フレーム分左(前)に戻す
再生ヘッドを正確に1フレーム分右(後)に進める
再生ヘッドを10フレーム分まとめて左(前)にスキップする
Shift
再生ヘッドを10フレーム分まとめて右(後)にスキップする
Shift
タイムライン上の1つ前のカットの結合部(編集点)へ再生ヘッドを正確にジャンプさせる
タイムライン上の1つ後のカットの結合部(編集点)へ再生ヘッドを正確にジャンプさせる

マークと素材の選別

素材を再生しながら「どのシーンを本編で使うか」を決める、編集前の仕分け作業です。

ブラウザで動画を見ながら、開始点「I(イン点)」と終了点「O(アウト点)」を打つことで、動画の使いたい部分だけを指定します。さらにFinal Cut Pro(FCP)独自の強力な機能である「お気に入り(F)」や「不採用(Delete)」のタグを活用するのがプロの定石です。

撮影した大量のクリップからOKテイクを事前に選別しておけば、タイムラインに並べる作業が圧倒的にスムーズになります。重要な箇所にはマーカー(M)を打って目印を残しておきましょう。

動作ショートカット
スキマーまたは再生ヘッドの位置に、範囲選択(インポイント)を設定する
I
スキマーまたは再生ヘッドの位置に、範囲選択(アウトポイント)を設定する
O
設定されている範囲の開始点(インポイント)をリセットして解除する
Option (⌥)I
設定されている範囲の終了点(アウトポイント)をリセットして解除する
Option (⌥)O
設定されているインポイントとアウトポイントを同時にすべて解除する
Option (⌥)X
再生ヘッドまたはスキマーの位置にあるクリップやタイムライン自体にマーカー(目印)を打つ
M
マーカーを追加すると同時に、名前やコメントのメタデータを編集するウインドウを起動する
Option (⌥)M
ブラウザで選択されている範囲やクリップに対してグリーンのお気に入りタグを設定する
F
ブラウザで選択された部分にレッドの「不採用」タグを設定して選別作業を効率化する(※タイムライン上ではクリップ削除)
Delete
クリップから「よく使う項目」や「不採用」のレーティングタグを削除して未選別の状態に戻す
U

タイムライン基本編集

マークした素材をタイムラインへ並べ、動画全体の骨組み(ラフカット)を作る基本操作です。

FCPでは選択ツール(A)とブレードツール(B)の切り替えや、末尾追加(E)、割り込み挿入(W)、上に重ねる接続(Q)、上書き(D)というワンキー操作でクリップをテンポよく配置できます。

さらにクリップ分割(Cmd + B)や有効/無効(V)に加え、間を空けるギャップ挿入(Option + W)、全体の長さを変えずにクリップを空白化するギャップ置換(Shift + Delete)、静止画を作るフリーズフレーム(Option + F)を使いこなすことで、自由自在にストーリーラインを組み立てられます。

動作ショートカット
選択したクリップを再生ヘッドまたはスキマーの位置で基本ストーリーラインに接続する
Q
再生ヘッドまたはスキマーの位置に選択範囲のクリップを挿入(割り込み)する
W
選択したクリップをアクティブなストーリーラインの最後尾に追加する
E
再生ヘッドまたはスキマーの位置にある既存のクリップを上書きする
D
再生ヘッドまたはスキマーの位置でアクティブなクリップを2つに分割する
Cmd (⌘)B
再生ヘッドまたはスキマーの位置で重なっているすべてのクリップを一括で分割する
ShiftCmd (⌘)B
選択したクリップの再生・表示の有効/無効を切り替える
V
選択したクリップを基本ストーリーラインから引き上げて接続クリップにし、元の位置をギャップに置き換える
Option (⌥)Cmd (⌘)
選択した接続クリップを、直下にある基本ストーリーラインの位置へ上書きして埋め込む
Option (⌥)Cmd (⌘)
選択ツール(矢印カーソル)に切り替える
A
ブレードツール(カット用ハサミ)に切り替える
B
再生ヘッドまたはスキマーの位置にギャップ(空白クリップ)を挿入する
Option (⌥)W
全体の長さを変えずに、選択したクリップをギャップ(空白)に置き換える
ShiftDelete
再生ヘッドの位置のフレームから静止画クリップ(フリーズフレーム)を作成・挿入する
Option (⌥)F

トリミング・精密編集

タイムラインに並べたクリップの「長さ」や「カットのつなぎ目」をコマ単位で追い込む仕上げ作業です。

タイムライン配置後の「不要な間(ま)」を削る際、ビギナーの方はブレードで切って削除しがちですが、プロは再生しながら Option + [(開始点切り詰め)や Option + ](終了点切り詰め)を叩き、1キーで直前・直後の余白を瞬時に削ぎ落とします(トップ&テールトリム)。

さらにカットの結合部(編集点)の左右選択や延長(Shift + X)、前後のクリップの重なりを2階建て表示で精密に合わせる詳細編集(Ctrl + E)を使いこなすことで、テンポの良い洗練された映像に仕上がります。

動作ショートカット
クリップの開始点(インポイント)を再生ヘッドまたはスキマーの位置まで切り詰める
Option (⌥)[
クリップの終了点(アウトポイント)を再生ヘッドまたはスキマーの位置まで切り詰める
Option (⌥)]
隣接するクリップの編集点(カットライン)の左側を選択してロール/リップル編集に備える
[
隣接するクリップの編集点(カットライン)の右側を選択してロール/リップル編集に備える
]
選択されている編集点(イン/アウト)を再生ヘッドまたはスキマーの位置まで瞬時に伸ばす
ShiftX
カット部分の前後を2階建て表示して極めて精密なコマ単位調整ができる詳細編集を開閉する
CtrlE

トランジション

カットのつなぎ目が整ったら、場面転換や映像・音声の自然な切り替えを行うトランジションを適用します。

編集点を選択して Cmd + T を押すだけで、デフォルトのトランジション(標準はクロスディゾルブ)を一瞬で適用できます。マウスでトランジションパネルからドラッグ&ドロップする必要はありません。

さらに、音声だけを滑らかにつなぐオーディオクロスフェード(Shift + Cmd + T)や、ビデオのみのトランジション(Option + Cmd + T)、多彩なエフェクトを探せるトランジションブラウザの開閉(Ctrl + Cmd + 5)も押さえておくと、仕上げ作業が非常にスピーディーになります。

動作ショートカット
選択した編集点またはクリップの両端にデフォルトのトランジション(クロスディゾルブ等)を適用する
Cmd (⌘)T
選択した編集点またはクリップのオーディオのみにデフォルトのトランジション(クロスフェード)を適用する
ShiftCmd (⌘)T
選択した編集点またはクリップのビデオのみにデフォルトのトランジションを適用する
Option (⌥)Cmd (⌘)T
トランジションブラウザを開閉し、トランジションエフェクト一覧を表示する
CtrlCmd (⌘)5

オーディオ調整

動画の完成度を大きく左右する音量バランスを、キーボードから素早くコントロールするショートカットです。

クリップごとのボリューム線をマウスで上下させるのではなく、選択クリップの音量を1dB刻み(Ctrl + - / Ctrl + =)で微調整したり、指定した絶対dB(Ctrl + Option + L)に一発で揃えたりできます。

また、音と映像を切り離すオーディオ分離(Ctrl + Shift + S)や、特定の音声だけを聴き込むソロ再生(Option + S)は、声の聞き取りやすさのチェックやBGM・効果音(SE)のミックスに欠かせません。

動作ショートカット
選択したすべてのオーディオクリップを指定した一定のデシベル(dB)値に統一する
CtrlOption (⌥)L
現在の各クリップの音量を維持したまま、一律で指定したデシベル(dB)分増減させる
CtrlL
選択されているオーディオクリップの音量を一律で1デシベル(dB)引き下げる
Ctrl-
選択されているオーディオクリップの音量を一律で1デシベル(dB)引き上げる
Ctrl=
ビデオクリップからオーディオトラックを完全に分離し、別個の接続オーディオクリップにする
CtrlShiftS
選択したオーディオトラック以外のすべての音をミュート(消音)にし、選択トラックだけを再生する
Option (⌥)S

ビュー・ワークスペース表示

ブラウザ、タイムライン、ビューア、インスペクタなどのパネル切り替えや、表示スケールを最適化するショートカット。

Cmd + 1Cmd + 4 で各作業エリアへ瞬時にフォーカスを移動し、エフェクトブラウザ(Cmd + 5)やインスペクタ(Cmd + 4)を必要な時だけ呼び出すことで、画面を広く快適に使えます。

タイムライン全体をワンタッチで画面幅に収める「Shift + Z」は、編集全体のバランスを俯瞰したいときにいつでも役立つ最重要キーです。

動作ショートカット
素材管理エリアであるブラウザウインドウをアクティブ化しフォーカスを移動する
Cmd (⌘)1
編集作業エリアであるタイムラインウインドウをアクティブ化しフォーカスを移動する
Cmd (⌘)2
プレビュー映像表示エリアであるビューアウインドウをアクティブ化しフォーカスを移動する
Cmd (⌘)3
クリップの詳細な調整値(エフェクト、不透明度、変形等)を制御するインスペクタパネルを開閉する
Cmd (⌘)4
ビデオ/オーディオ用の豊富なカラーや補正・変形効果一覧を展開するエフェクトブラウザを開閉する
Cmd (⌘)5
波形モニターやベクトルスコープを表示し、輝度や色の分布をプロ仕様で正確に評価できるようにする
Cmd (⌘)7
タイムラインやビューアのズーム率を自動調整し、画面のサイズにきれいに収めて全体を見渡せるようにする
ShiftZ

プロジェクト・環境設定

新規プロジェクトの作成(Cmd + N)、ライブラリの展開(Cmd + O)、メディアの読み込み(Cmd + I)や、コピー&ペースト(Cmd + C / Cmd + V)、取り消し・やり直し(Cmd + Z / Shift + Cmd + Z)など、作業の基盤となる基本操作です。

ショートカットの割り当てを確認・変更できる「コマンドエディタ(Option + Cmd + K)」を活用すれば、自分の手の大きさや作業スタイルに合わせたオリジナルの高速化環境を構築できます。

動作ショートカット
新しいプロジェクトを作成する
Cmd (⌘)N
既存のライブラリまたは新しいライブラリを開く
Cmd (⌘)O
カメラ、デバイス、またはストレージからメディアをインポートする
Cmd (⌘)I
Final Cut Proの設定ウインドウを開く
Cmd (⌘),
キーボードショートカットをカスタマイズ・管理するウインドウを開く
Option (⌥)Cmd (⌘)K
選択したクリップや要素をコピーする
Cmd (⌘)C
コピーしたクリップを再生ヘッドの位置に貼り付ける
Cmd (⌘)V
直前の操作を取り消す(元に戻す)
Cmd (⌘)Z
取り消した操作をやり直す
ShiftCmd (⌘)Z